ショックアブソーバの構造・種類について

ショックアブソーバの構造

現在クルマのサスペンションに使用されるショックアブソーバは「筒型」で縮み側と伸び側に「減衰力」を発生するダブルアクションタイプが主流です。
また、クルマの性格やサスペンションの種類によってショックアブソーバの内部構造は「複筒式」と「単筒式」のどちらかが採用されています。

複筒式

複筒式は本体筒内部が二重構造になっていて、伸びる時にはピストンバルブ、縮む時はベースバルブが別々に減衰力を発生させる仕組みです。
設定出来る長さの自由度が高く、また石跳ねなど多少のへこみが生じても機能に影響しないなどから多くのクルマのサスペンションに採用されています。

単筒式

単筒式はシリンダー内部をオイル室とガス室が直列区分されていて、伸びる時も縮む時もピストンバルブで減衰力を発生します。
このため減衰力特性はピストンの動きにリニアに反応し、シンプルでチューニングしやすい、放熱性が良い等からスポーツタイプのサスペンションに採用されています。

「減衰力」とは?

スプリングの揺れを抑え車体を安定させるのがショックアブソーバの役割ですが、重い車体の動きを一早く抑える力を「減衰力」といいます。
減衰力はどのよう作られるか? 右下図のようにショックアブソーバ本体筒にはオイルが入っていて、その筒の中をピストンが移動します。
このピストンには穴があけられており、揺れと合わせピストンが移動する時に穴を通過するオイルの抵抗が「減衰力」となります。
また、車体の揺れの度合い、速さなどによりピストンが移動するスピードが変化しますが、ピストン移動速度が速いほど「減衰力」は大きくなります。
これを「減衰力特性」といいます。(左下グラフ)

ショックアブソーバの種類

純正形状タイプ

ショックアブソーバ本体は純正と同様の形状でスプリングや取り付け部品も純正品が使用できるため、補修交換向けユーザーや純正形状スポーツタイプのスプリングと組み合わせるライトチューニングユーザー向けに最適です。
また、装着後も純正品と同様のメンテナンスで済み気軽に車のチューニングを楽しめます。

全長調整車高調整タイプ

車高調整機能に本体全長を調整できる機能が加えられたタイプです。
スプリングの性能をフルに使用するために伸びきった状態で取り付けても、好みの車高にできます。本格モータースポーツ用などシビアなセッティングを必要とするサスペンションに採用されることが多いショックアブソーバです。